折り紙による、観葉植物の抽象

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 私がサイトの名前に、ORI-INTERIORという造語をあてたのは、生活の中に折り紙を飾る、という文化を創造したいと思ったからだ。折り紙は、紙という素材ゆえに軽く、壁にも机にも飾りやすい。問題は、如何に生活に溶け込む作品を作ることができるか、ということだ。

 シンプルな解決法は、元々生活に溶け込んでいるものを題材にすることだろう。例えば、観葉植物や、壁に掛けるオブジェなどだ。そのような題材をデザインする過程で、違和感なく飾るために必要な要素を、理解することができる。そういう訳から、観葉植物をテーマとした今回の作品に着手した。

CONCEPT

1-1. 折り紙による、観葉植物の抽象化

今回のメインコンセプトは、観葉植物の抽象化だ。観葉植物というものを構成する要素を分解し、折り紙と親和性の高いものを抽出して再構成する。そうすることで、観葉植物にも紙にも見えるものを作りたいという狙いだ。

私が思うに、人は何かの言葉を解釈する時、それぞれが持っている曖昧なイメージと照らし合わせる、という作業をしている。例えば、観葉植物という言葉を見て、あなたが頭に思い浮かべている、それだ。私は、自分の頭の中にある、その曖昧なイメージを、実際に取り出してじっくり眺めてみたいと思う。

それ故に、対象そのものと折り紙という境界線の上を揺蕩っているような作品を作りたいのだ。

この理由以外にも、より現実的な理由もある。紙を使う以上、効率よく生成できる角の数と使うことができる色には制限があるからだ。ミニマリストのように、限られたリソースの力を最大限に拡張し、突き詰めていくことを、紙という素材から求められていると感じる。

1-2. 有機的表現と無機的表現のシームレスな繋がり

 通常の観葉植物は、大抵上部が有機物である植物、下部が鉢植えなどの無機物で構成されている。今回の作品でも、その構成は同じだ。有機物と無機物という対極を、紙という素材がつなぎ合わせることで、有機的でもあり、無機的でもある表現ができる。どうすれば、それらが最も丁度良く混ざり合うかということを常に考えていた。

DESIGN

2-1. 観察から構造の検討

 今回の作品では、敢えてスケッチなどはあまり行わなかった。その代わりに、実物を触り、観察した。フェイクプラントと生きている植物の両方を観察することで、それらの違いを感じるように努めた。私が表したかったのは、それらの中間だったからだ。

 作り始めた当初は、葉の数を増やすことに苦戦した。しかし、ある時ふと気づいた。葉の数を増やす意味は何だろうと。植物が植物に見えるのは、葉の数が多いからではない。その1枚1枚が、美しい「葉」の形と色をしているからだ。

2-2. 構造の変化、葉の表現のアプローチの変化

 初期デザインでは、紙の使い方を「折り紙による、ワイングラスシリーズ」と同じようにしていた。しかし、その構造では余剰領域が生まれてしまうため、紙を最大限に活用できなかった。

 そのため構造を、折り紙界隈でいうところの「ダイヤ型」にした。いつも驚くことだが、最適な答えは常に傍にあるのに、そうと気付くまで存在にすら気づかない。気付いた瞬間に、紙はそれを待っていたかのように、自然に美しい形へと折り畳まれていく。

2-3. 高揚感の演出について

 良いアートを見ると、たとえそれが何かわからない場合でも、なにか高揚感のようなものを感じる。ある程度形が出来上がった時に私が思ったのは、その高揚感が目の前の作品からは感じられない、ということだった。
 そこで、そもそも高揚感を感じられるような観葉植物はないかと探してみた。そこで目についたのが、「金」という色を取り入れた観葉植物だった。葉を金で塗ってみたり、金色の鉢植えを使ってみたり、といったものだ。

 はっきりとはわからないが、金色の持つ高級感と、植物の鮮やかな緑や生命感が響きあい調和している感覚を覚えた。その感覚を取り入れたいという思いで、金色をベースカラーとして採用した。その結果が今回の作品達だ。

COMPLETE SHAPE

LIMITATION

4-1. 内部構造の見せ方

 写真ではあまりよく見えないが、今回の作品には意図的に「穴」を作っている。中を覗くと、そこに仕込んである折り込みを見ることができる。本来であれば開けることのできない穴を、敢えて作るという面白さを組み込みたかったからだ。

 この穴の中を、本当はもっと見てもらいたい。もちろん、現実に展示すれば見てもらうことは可能ではある。しかし、写真というメディアを最大限に活用する努力も怠ってはいけないと思う。

4-2. 鉢部分の形状のバリエーション

 今回の2作品は、共にほぼ同じ基本形から作っており、下部の鉢植えの基礎構造もおおよそ同じだ。どちらも全体の折りに過不足なく意味がある、調和状態を実現できていると思う。

 しかし、調和状態を保った上で、更に鉢植えの形状のバリエーションを増やすことも、実際問題可能だ。勿論時間はかかるが、今後も研究を続けていきたい部分である。

THANK YOU!

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。自分自身の視点からだけでなく、他人の視点では作品がどのように見えているのか、ということを考えなくてはいけないと思う今日この頃です。どんなことでも、そしてどんな形でもいいので、思ったことを伝えていただけると、とてもありがたいです。

Tomoaki. H.

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