折り紙によるタヌキ
人を騙す生き物といえば、たぬきときつね。三文字ずつで、たぬきの尻はきつねの頭と同じ。たぬきもきつねも犬の親戚。たぬきの化ける力はきつねよりも弱いらしい。 祖父母の家の裏に少し小高くなった森がある。たぬきが出るらしい、と祖 … Continued
Read in English CONCEPT 「折り紙による、多面的なライオン」の派生バージョン。基本グリッド数を少なくすることで、あたかも解像度が粗くなるような派生形が生まれるという面白さを表そうとして作ったもの。解 … Continued
特にライオンの顔については、正面からのイメージをデフォルメしたものを思い浮かべることが一般的だろう。普段、画像として平面的にインプットしているゆえに、その立体的な図像を頭の中で上手く再構築出来ないのではないかと思う。記号化によって、およそ殆どの現代の人々にライオンというイメージは共有されているものの、そのイメージは実際には「本物」のライオンとは異なるイメージだという点に皮肉を感じる。
折りやすい、けれど素晴らしい仕上がりになる、という作品を作るのは難しい。 折りやすさ、という足枷を付けた上で、良いデザインを作るための道のりを歩くから。そう思っていたが、今まで折った作品でも、最終的に折りやすい形の方が美しい見た目をしていると、ふと思い当たった。
私が思うに、人は何かの言葉を解釈する時、それぞれが持っている曖昧なイメージと照らし合わせる、という作業をしている。例えば、観葉植物という言葉を見て、あなたが頭に思い浮かべている、それだ。私は、自分の頭の中にある、その曖昧なイメージを、実際に取り出してじっくり眺めてみたいと思う。
そういう意味で、これらの作品群は単なる1つの題材の研究というだけでなく、折り紙に関する手法の実験場という意味合いが強い。 いくつかの実験の結果を、整理記録するためにこの記事にまとめていく。
-CONCEPT 2020年12月ごろ、この年の干支である牛にちなんで『折り紙による牛の頭骨』をデザインした。 動物という自然が作り出した美を再構築するというテーマは人間の創作にとって永遠のテーマに思える。 『折り紙によ … Continued